政府の成長戦略会議のメンバーを務める小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏が、大会のパネルディスカッションで「私が中小企業をつぶすおやじだとか言われるが、何の根拠もない」と述べ、生産性を向上できない中小企業の体質こそが問題と主張する一幕があった。 同氏はかねて中小企業の生産性の低さを問題視しており、合併・買収(M&A)などによる企業規模拡大の必要性を訴えている。国の政策に反映され、小規模事業者の淘汰(とうた)につながりかねないとの警戒から、批判的な声もある。 パネリストの藻谷浩介氏(日本総合研究所主席研究員)から「アトキンソンさんも中小企業の経営者だ」と振られると、社長に就任してから取り組んだ改革を紹介し「やるべきことをきちんとやれば、健全に経営できる」と強調した。 (部田寛孝)