記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 今年は「太平洋戦争」(1941~45年)開戦からちょうど80年。圧倒的な国力の差があった米国との戦争になぜ踏み切ったのか。「最初から勝てない無謀な試みだった」と結論を急いでしまうと、今日にも通じるさまざまな教訓を見逃すことになりかねない。軍事史研究の藤井非三四氏は「陸軍大学卒業生の優遇や複雑な派閥の人間関係が人事政策を誤らせた」と分析する。陸軍の失敗は現代の企業社会にいくつかのヒントを与えてくれるかもしれない。 「俺には過ぎた師団長らだ」と自慢 太平洋戦争中の1944年に敗北した「インパール作戦」は陸軍の奇襲重視、兵たん軽視、軍紀崩壊の典型的なケースとされる。ビルマ戦線からインド北東部のインパール攻略を目指した戦いで、英軍のビルマ進攻の抑止と中国・蒋介石政権への物資供給ルート遮