■紙の動物園 / ケン・リュウ ぼくの母さんは中国人だった。母さんがクリスマス・ギフトの包装紙をつかって作ってくれる折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動いていた…。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた表題作ほか、地球へと小惑星が迫り来る日々を宇宙船の日本人乗組員が穏やかに回顧するヒューゴー賞受賞作「もののあはれ」、中国の片隅の村で出会った妖狐の娘と妖怪退治師のぼくとの触れあいを描く「良い狩りを」など、怜悧な知性と優しい眼差しが交差する全15篇を収録した、テッド・チャンに続く現代アメリカSFの新鋭がおくる日本オリジナル短篇集。 中国系アメリカ人作家、ケン・リュウの日本独自SF短編集がこの『紙の動物園』だ。「ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞」という謳い文句もあってか、注目度も評判も上々で、本の売り上げもなかなからしいのだが、最初それほど