「HORIZON LABO」と名付けられたその場所では、15歳の若きコーヒー職人、岩野響さん(いわのひびきさん: 以下、響さん)がコーヒーの研究と焙煎を営んでいます。 幼いころから、調味料の違いもすぐに分かってしまうほどの鋭敏な味覚と嗅覚を持っていた響さん。中学1年生の頃、自宅でカレーを作る際の隠し味にコーヒーを使用したことがきっかけでコーヒーへの興味を抱いたと言います。 自営業を営む両親の知人から手回し焙煎機を譲ってもらったり、地元のコーヒー屋さんの焙煎機を触らせてもらったりと、周囲の人たちが差し伸べた手を掴みながら、次第にコーヒー焙煎の魅力に取り憑かれていきました。 豆の個性やわずかな火加減による味の違いも見逃さず、1日に10時間以上も集中して焙煎を続けられる…そんな驚異的な感覚と集中力を持つ響さんには、発達障害の一つ、「アスペルガー症候群」の特性があります。 騒がしい教室の中でじっと