一番最初に「選択」したのはいつだろうか。 生まれてから今日までをゆっくり思い返すと、最初に自分で選択をしたのは年長のとある日。 それまでは多分、他の乳幼児と同様、 「したい」「欲しい」「寝たい」「遊びたい」 という欲求のまま動いていたはずなのだが、その日は欲求を表現するでなく、選択を迫られた。 保育園で一番仲が良かった友達のヤベくんが空手を習っていると聞き、なんだかウルトラマンやメガレンジャーになれるような気がした5歳か6歳の“おれ”は、さっそくお母さんに「おれも空手やりたい!」と言ってみた。 「うんうん、パパに聞いてみようね」と母が答えたあと、“おれ”は、ヤベくんと一緒にカッコよくチョップとかキックをしているイメージでいっぱいだった。 その頃は、「まだ遊びたい!」という欲求がうまれても、「いいよ」とそのまま満たされるか、「だめだよ」で否認され泣きわめくかの、どちらか。 承認か秘訣かの二択