英国の職業作家の収入に関する最新の調査結果が、著作権と版権料支払に関わる機関から発表され、ライターという職業が収入低下により「限界点」に達していることが明らかになった。窮乏化の原因が出版ビジネスの没落でないことは(日本以外では)実証済なので、これはクリエイティブ産業における「労働分配率の低下」を示すことになる。 職業作家の窮乏化と格差拡大 この調査は、Authors’ Licensing & Collecting Society (ALCS)が、ロンドン大学クィーン・メアリ・カレッジと合同で行ったもので、支払実額をもとにした厳密で継時的なデータに定評がある。昨年の表題「言葉の値段はいま幾ら」に続く今年は「著者というビジネス:著者の収入と契約に関する調査」と名付けられた。これは作家という職業分類が絶滅危惧種となっていることを示すものだ。格差拡大は一般社会だけでなく、もともと残業手当などないク