住民の要望を受けて、地名の呼称を変える地域が相次いでいる。響きの良くない読み方だったり、長すぎたり――。何かとついて回る情報だけに、住民たちの思いは切実だ。 「どぶ」→「つちべ」 愛知県北名古屋市の一地域でこの春、字(あざ)名の読み方が変わった。「北名古屋市徳重土部」の「土部」の読み方が、「どぶ」から「つちべ」に。「良かった。ほっとした」と地元で生まれ育った井上嘉広さん(58)。井上さんらは昨秋、住民554人の約8割の署名を集めて呼称変更の要望書を市長に提出。市議会は昨年12月、4月1日からの変更を全会一致で可決した。 徳重土部地域は北名古屋市の北部にあり、北に五条川が流れ、南は名鉄犬山線の徳重・名古屋芸大駅付近までの一帯。マンションやアパートが立ち並ぶ住宅街だ。 要望書では「どぶ」という読み方のため、「子供が学校で馬鹿にされることもあった。土地や建物の資産価値にもマイナスだ」と訴えた。た