即興劇をする。焼き魚を食べる。プラモデルを作る――。すべて企業の採用試験の一例だ。中小企業を中心にこうしたユニークな採用方法が広がっている。人材の適性を見極めたり、会社をPRしたりするのに効果的だという。 「サンタクロースの悩み」「30歳の同窓会」。次々と飛んでくるお題に合わせ、大学生が即興劇を演じる。共演者の動きや自分に求められた役を、その場で見極めなければならない。企業の採用担当者が一緒に演じることもある。 東京・飯田橋で1月下旬にあった新卒採用会の一場面だ。採用支援会社「カケハシスカイソリューションズ」(東京都新宿区)が初めて企画し、学生20人と、建設やIT企業の計4社が集まった。元バレエダンサーで進行役の野原秀樹さんは「即興演劇は人と人との関係を構築していく力が試される」と説明する。 企業側の狙いは、大手企業に流れやすい優秀な人材の確保だ。広島建設(千葉県柏市)の綿貫亮・人財開発室