名文です。思わず朗読し、配布しまくりたくなる文章です! 作家・島田雅彦氏が、山本太郎氏の国会活動について書かれた本書を書評。 「待望されるのは政治の不毛を笑い飛ばしつつ、常識を覆すリベラルのトリックスターである」 理想主義者の代名詞に「ドン・キホーテ」というのがあるが、山本太郎ほどこの称号にふさわしい男はいない。通例、揶揄のニュアンスが付いて回るが、徒手空拳で巨悪に突撃してゆく蛮勇こそ現在の政治家に最も必要とされる素質である。その理想は憲法に忠実で、あるべき政治道徳に則り、国民に安全で健康な生活を確保しようとする高潔なものだ。国会には七百人以上の議員がいるが、山本太郎と何人かの例外を除けば、ほとんどの議員が多数派の頭数合わせと己が既得権益を守ることしか頭にない。山本太郎が理想主義者として浮いてしまうこと自体が政治の退廃、劣化の証左になっている。 山本太郎の六年間の議員活動はちょうど安倍政権