鉄道ファンの中でJR奥羽線の人気が再燃している。1992(平成4)年の山形新幹線開業以降、旅客運送の主役の座を譲ったが、全国的にも珍しい連続するスイッチバック駅があった路線だ。鉄道ファンが山間の駅に降り、会員制交流サイト(SNS)に写真を投稿する姿も見られ、途中下車して楽しむ「スローな旅」の観光資源として再注目されている。 奥羽線は、東北地方を南北に縦断する「奥羽山脈」を日本で初めて越えた鉄道としてファンに知られる。5月には、その山脈を越える難所だった福島―米沢駅間の開通120年の節目を迎える。 特にファンの心を熱くするのが福島―米沢駅間にあり、県境をまたぐ「赤岩―板谷―峠―大沢」の4駅。かつては全国屈指の急勾配を越えるため設けられた全国でも珍しいスイッチバック駅だった。今も乗降者の少ない秘境駅として人気で、このうち本県側にある赤岩駅は列車が止まらない完全な通過駅となっている。 奥羽線の歴