モニカのやることに気を取られていたので、ベルさんのことなんてすっかり忘れていた。 ベルさんはゆっくりと上半身を起き上がらせると、辺りをキョロキョロしている。 人格交代は無事に終わったのだろうか。 もうひとりの人格は、俺が設定の時に男が好きだとか答えてしまったばかりに生まれた人格らしい。 男の人は嫌いではないけれど、見知らぬ男性の人格とかステータスの低い俺にとって恐怖でしかない。 俺はベッドを静かに水平になるように操作すると鼻の上まで布団を被り、そっと観察をすることにした。 目覚めたベルさんは、まだ状況が分かっていないようで、ただ周りをキョロキョロしているばかり。 蛇退治の話は、このベルさんに伝わっているのか、そこも確かではない。 「男のベルさん、おかえり」 ゴブリンが的確がどうか微妙な挨拶でベルさんに挨拶する。 「ベル……お姉様? お帰りなさいませ」 モニカはよくわからないので、疑問符をつ
![病気の身体で異世界に行ったら、剣さえ持てなかった。転移を後悔してももう遅い。病院を育てて俺は強くなる。 - 88話 俺は涙が止まり、高まった気持ちが治まるまで、そのままでいることにした。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/84a9d51e3f35d080766745de22029590ee71d8b5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsbo.syosetu.com%2Fn3171fs%2Ftwitter.png)