こんばんは! 最近、晩秋とは思えない気候ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 今回も「たけくらべ」感想・解釈の続きです。 第十二章 「時雨の朝(前編)」 信如が田町へ行く時、近道を口実に通る道があります。 時雨の朝、母に遣いを頼まれた信如。 はいはいと素直に、雨傘をさして出かけたのでした。 信如がその細道を歩いていると、運悪く大黒屋の前で突風が。思わず踏みこらえると、下駄の鼻緒が抜けてしまいました。 雨の中で直そうと悪戦苦闘するも上手くいかず、気ばかりが焦る。半紙を取り出し、裂いてこよりにするも、意地悪な嵐が立てかけていた傘を転したため、小包も着物の袂まで泥だらけです。 その様に困っている人が、格子門前にいる事に気づいた美登利。針箱の引き出しから、ちりめんの切れ端をつかみ出し、庭石づたいに駆けつけました。 けれど信如だとわかった途端、美登利の顔は赤く成り、動揺して立ち尽くすばかり。 いつ