夏といえば図書館だ。 しかし、夏と図書館を結びつけて考えるようになったきっかけが、どうしても思い出せない。 どうして夏といえば図書館だ、と僕は思っているのだろうか。 夏にうってつけの場所は、他にもたくさんあるはずだった。 たとえばプールだった。他には花火だった。登山も夏らしい印象だ。山では昆虫採集もはかどるだろう。海でもよいし、スポーツ観戦も夏めいている気がしないでもない。そして図書館だ。 図書館はオールシーズンに対応しているので、特別に夏っぽいとは思わないんだけれど、夏になると本を読もう、図書館に行こうと思ってしまうし、その連想には特に害がなさそうなので図書館にゆくことにした。 自宅から5kmほど離れた場所に図書館はある。 正午。真夏日の炎天下、顔と腕と足に日焼け止めを塗って、真っ白いTシャツを着て、短パンを履いて、とても大きなつばのついた山登り用の帽子を被って、サンダルを履くと、夏休み