8年前のある日、母親が「心臓が苦しい」と言いました。 母親の背中をさすってみたり、水を飲ませてみたり、 背中にカイロを入れてみたり、いろいろやってみましたが 全然治りません。仕方なく救急車を呼びました。 病院で検査すると、血栓が身体のどこかに詰まっていて、血流が悪くなり そのため、心臓が苦しいのだと、そして母親に体力がないので手術ができない (腎臓が悪く、麻酔が使えない)ので、このまま死んで行くのを見ているしかないとのことでした。 私は、この事態を認めて、ただ母親を見守るしかありませんでした。 父親はその一年前に、夫はその5年前に、そして姉は私の幼いころ亡くなっていました。こうして私は一人ぼっちになってしまったのです。 あの日、私は病院の外の喫茶店でモーニングサービスを頼んでいました。 トーストとコーヒーの朝食をとっていると、急に心の中がさびしい気持ちになりました。寂しい、さびしい、地獄の