メジャーリーグを描いた本で好きなのは『シューレス・ジョー』(W・P・キンセラ著、文春文庫)と『スカウト トニー・ルカデロ最後の旅』(マーク・ワインガードナー著、東京書籍)の2冊だ。『シューレス・ジョー』は映画『フィールド・オブ・ドリームス』の原作としても知られ、内容は今さら言うまでもない。 この本の中にエディ・シズンズという人物が登場し、「わしはリリーフ・ピッチャーが出現する以前からのリリーフ・ピッチャーだった。この意味がわかるかな? 当時は先発ピッチャーがほとんどの試合を最後まで投げ抜いたものだ――完投できないピッチャーは弱いピッチャーと見られてね」と語るシーンがある。つまり87歳のシズンズ老人は自身を回想して卑下しているのだが、同時に「レギュラーではなかったが、シカゴ・カブスでプレーしたことがある」と自慢もしている。 後日、主人公が図書館で『ベースボール・エンサイクロピーディア』でシズ