飲料水の自動販売機は、全国どこにでも遍く存在する。この自販機をIoT化、リアルタイムに子供や高齢者の位置情報を取得する見守り拠点として活用する動きが加速している。 子供や高齢者といった「社会的弱者」は、街中で事件や事故に巻き込まれる危険性が高い。かつては地元住民が見守り役を担っていた時代もあったが、地域のつながりが希薄になった現代は、それも難しくなっているのが実情だ。 そうしたなか、新たな試みが始まっている。我々が普段何気なく通り過ぎている飲料水の自動販売機が、人間に代わって子供や高齢者を見守るのだ。 具体的な取り組みを紹介する前に、自販機の現状について簡単に触れておこう。 全国に自販機は2016年末時点で約213万台あり、その売上金額は約1兆7405億円に上る(清涼飲料のみの金額、日本自動販売システム工業会調べ)。いずれも大きな数字だが、実は普及台数、売上金額とも前年割れの状況が続いてい