稲作に被害をもたらす害虫「トビイロウンカ」に抵抗性を示すイネの遺伝子を特定した、と農業生物資源研究所(茨城県つくば市)などが発表した。その遺伝子はインド産のイネにあり、交配によって日本産のイネに組み込むなどして、被害を防ぐ品種の開発を目指すという。 トビイロウンカは、セミのような針状の口でイネの栄養を吸う昆虫で、日本の稲作に与える被害は年間100億円規模になる。中国から毎年飛来するが、10年ほど前から殺虫剤に耐性を持つタイプが出てきて、被害が深刻化してきた。 これまでに、インドで栽培されているイネが持つ2種類の遺伝子が、このウンカに強い抵抗性を示すことがわかっていたが、染色体のどこにあるか特定されていなかった。