■Taken 2/2012/Olivier Megaton(オリヴィエ・メガトン) ◆サスペンスとしては、前作の『96時間』におとらずスリリングで、飽きさせない。リーアム・ニーソンは、ひとつの〝安定した〟(つまり一定の身体感と雰囲気を醸し出す)キャラクターを演じている。いまは別れてはいるが大人のつきあいを保っている妻(ファムケ・ヤンセン)と娘(マギー・グレイス)の組み合わせも同じ。 ◆殺人や拷問も辞さない元CIA工作員のブライアン(リーアム・ニーソン)は、絶対に殺されることはないという安心感を観客にあたえるが、こういう一見安易に見える前提を納得させるのは決して容易ではないから、仕掛けが必要になる。SF的なスーパーマンではないのだから、それなりのリアリティと説得力を個々の場面で用意しなければならない。それをクリアーしたのは、「コロンビアーナ」でも見せたオリヴィエ・メガトン(演出)とロマン・ラ