公式な文書ではどう表記するのが正しいのか。 学術論文では? 小説では? 同じ日本語なのに、印刷物の性格によってルールの縛りに温度差があるように感じられる。 曰く、横書き文書であれば和欧混植の際の句読点を統一するため、日本語文書であってもカンマとピリオドを使うべし。 曰く、横書きにおける読点はカンマを使うべきだが、句点はあくまでも「。」を使うべし。 曰く、日本語文書である以上、「、」と「。」を使うべし。欧米かぶれ許すまじ。 句読点とは違うけれども、感嘆符「!」や疑問符「?」には本来の意味と同時に、文章の終わりという意味を含んでいる。 これらはもともと日本語になかったので、日本語文書に使うべきでないとの議論も、過去には存在した。欧米かぶれ許すまじ、という議論である。 ここで、日本語表記における句読点の由来を少し考えてみたい。 日本語文書の場合、中世以前の正式文書は漢文だった。 中世以降、仮名書