地デジへの移行が24日、法整備から10年をかけて完了した(被災3県を除く)。政府は「国策」として推進してきたが、未対応世帯を積み残した「見切り発車」となった。また、インターネットの普及で若者を中心に「テレビ離れ」が進む中、国費約3600億円を投じた地デジ化の成果も問われている。【乾達、高橋咲子、土屋渓、浜中慎哉、ワシントン斉藤信宏】 ◇「情報のライフライン」奪われ 片山総務相は24日の会見で「我々の周知に反応してもらえない人がいたのは非常に残念」と述べた。総務省は当初、「24日には最後の一軒まで地デジ化」との目標を掲げた。だが、未対応が6月末で29万世帯残り、「24日に100%見られるようになるとはなかなか言えない」(片山氏)とトーンダウンした。 日本の対策は09年6月に完全移行した米国を教訓にしたものだ。米国は98年11月に地デジ放送を開始し、当初は06年の完全移行を目指した。だが