ソフトウエア開発者は一般的に,次のような2つの認識を持っているものだ。「もしアプリケーションを最初から書き直せば,アプリケーションの既存問題のほとんどを解決できる。現状のコードを更新して問題を解決するよりも,一から書き直す方が労力は少なくてすむ」「Microsoft製品『XXX』の次期バージョンは,少なくとも最初のサービス・パックでバグが解消されるまでは,不安定に違いない」---こういった認識は,本当だろうか? 1つ目の認識はよく「更地(Green Field)主義」と呼ばれる。アプリケーションを最初から作り直すのは,既存の建物を改装するのではなく,更地に建物を建設するようなものだからだ。更地主義の意見を最近,COMコードを.NETコードに書き直すことに関して,聞くことがあった。 例えば先日,筆者が「いよいよCOMに取って代わる.NET」という記事で,COMコードを.NETコードに移行する