イランでは、停電がよく起きる。暖房の利用増による電力不足や、配電線の不具合によることが多い。だが、1月にテヘランであった大規模停電で政府が「原因」としてやり玉にあげたのは、意外な存在だった。(テヘラン=飯島健太) 1月12日夜、テヘランや周辺の広い地域で、家庭の電気や街灯が一瞬にして消えた。 停電だ。夕飯の時間だったテヘランに住む40代の男性はこう振り返る。「テレビが見られなくて不便だったけど、いつものこと。おとなしく復旧を待った」。3時間後、電気がついた。 そして翌13日、イラン政府は停電の理由について、こう主張したのだ。 「需要の急増で電力供給が追い…