ふだんスーパーに行って、レトルト食品や缶詰を手に取ると、賞味期限が1年以上先のものがほとんどです。しかしその裏で、本来食べられるものを廃棄する「食品ロス」が問題となっています。なかには店頭に並ぶことすらなく、廃棄されてしまうケースも。背景には、流通業界で不文律とされてきた独自のルールや慣行があることがわかりました。(経済部記者 保井美聡) 「契約にない返品など、古い慣行はたくさんあります。それを知ってもらうことで、少しでも改善が進めば…」 ある食品メーカーの担当者が、匿名を条件に取材に応じてくれました。 流通業界で食品ロスが後を絶たない理由、そのひとつが「3分の1ルール」です。 たとえば製造から賞味期限までが6か月の場合、3分の1にあたる2か月を過ぎた商品は、原則仕入れない慣行があります。 まだ賞味期限まで4か月あっても返品され、廃棄されてしまうのです。 いまではこの慣行を見直し、3分の1