「脱官僚支配」を旗印とする民主党連立政権の下で、元大蔵次官の斎藤次郎が民営・日本郵政の社長に就任した。民主党幹事長の小沢一郎との親密さゆえに、次官辞任後は不遇をかこち、「10年に1人の大物」としては地味なポストを渡り歩いた。社長就任が内定した日、待ち受ける報道陣の前に現れた斎藤は満面の笑みを浮かべ、第一線への復帰の喜びを隠すことはなかった。(文中敬称略) しかし、前体制から引き継いだ「負の遺産」が、船出したばかりの斎藤丸の時限爆弾となるかもしれない。前専務執行役員の横山邦男ら、前社長の西川善文が三井住友銀行から連れてきた「チーム西川」が独断で進めてきた日本通運「ペリカン便」と郵便事業会社「ゆうパック」との統合問題がとんだ置き土産となっているのだ。 グループの足をひっぱる宅配便事業 日本郵政グループは11月25日、2009年4~9月期連結決算を発表した。株式市場の回復で、ゆうちょ銀行・かんぽ