さまざまな困難を乗り越てきた小惑星探査機「はやぶさ」が6月13日、7年の旅を終えて地球に帰ってきた。本体は大気圏に突入して燃え尽き、カプセルは午後10時51分ごろ大気圏に再突入、オーストラリア・ウーメラ地区に着陸した。カプセルには小惑星「イトカワ」の砂が入っている可能性があり、14日午後4時過ぎ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の回収班が回収した。 カプセルは18日に日本に到着。X線検査では1ミリ以上の砂はみつからなかったが、微細な砂ぼこりが入っている可能性があり、JAXAが分析を続ける。 次世代機「はやぶさ2」の開発は予算の壁にぶち当たっているが、はやぶさの快挙が風向きを変えるか。 最新情報(随時更新) カプセル展示は大人気 「こんなにきれい。これが現実」 はやぶさカプセル、帰還後初公開 「はやぶさ」カプセル、公開初日に1万3000人 カプセル内部は…… 「はやぶさ」微粒子は数十個に は
2010年6月13日 約束 サンプラ担当、SV、回収隊・方探班本部、科学・輸送班 矢野 創 はやぶさへ、 いまは6月13日朝。僕は、オーストラリアのウーメラ砂漠の宿で一人、君への手紙を書いている。 君が内之浦の5月晴れの空に吸い込まれていったあの日から、もう7年が過ぎたね。今朝のウーメラも、打上げの日の内之浦みたいに雲ひとつない青空で、窓から入ってくるひんやりした風が、心地いいよ。 「はやぶさ、いってらっしゃい。」 2003年。僕は、君のお腹の中にあるサンプラに、打上げ直前まで地球の汚染物質を入れないように窒素ガスを送り続けるため、科学者として最初に内之浦に入った。打上げ12時間前にM-Vロケット先端のフェアリングに包まれた君からガスチューブを抜いて蓋をする、最後の一人でもあった。フェアリングのアクセス窓を閉じたときに君にささやいたのが、この言葉。そのとき君はまだ「MUSES-C」と呼ばれ
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