吉田基已「夏の前日」がここ最近で個人的に一番好きになった漫画です。 ある暑い夏の日に芸術大学で油絵を描く主人公青木哲生はアルバイト中の画材屋で画廊に勤める年上の和服美人藍沢晶と知り合い、ある雨の夜にふとしたことで距離を近づけた事から始まる二人の物語。 この作品はストーリー自体に大きな起伏があるわけではありません。恋愛漫画は付き合うまでが最大の山場であることが多いんですがあっさり恋人の関係になりますし、そこからもありがちな疑心暗鬼になってすれ違ったり大きな喧嘩をして関係にひびが…という展開にはなりません。 それもこれもまだ若くその内に芸術家としての孤独を抱える哲生の不安定さを受け止める晶さんの大人の女性としての包容力が根底にあるので、言い合いになったりすることがないのです。 すれ違い→疑心暗鬼→出来事→喧嘩→仲直りっていう流れは起伏が付けやすく話の作り方としても分かりやすいんですが、逆に言え
泣くかと思った しっとり官能的な空気が最高にグッとくる「夏の前日」。4巻が出ましたので感想を。 表紙いいですね!ゆらめく水面と、まどろむ哲夫。晶さん膝枕。 甘えているような、すがっているような…。なんだろう、哲夫が溺れて晶さんにたどり着いたようにも見えます。水面というモチーフがまずこの作品にぴったりですねえ。晶さんの和服も涼しげな青。夏らしい。 基本的に主人公の2人がイチャイチャするのを眺める漫画… だったはずが3巻でいよいよ話が大きく動き始めました。 4巻はすこしずつ恐ろしさが背筋を登ってくるような感覚でした。静かに少しずつ端っこの方から崩れていくような。 相変わらず愛おしげに触れ合う哲生と晶さんのセクシーな場面に鼻息あらく興奮する。性的接触はなくとも甘いひと時に、思わず悶絶しながら読める。 …しかし。この巻はなかなに辛い展開もあったりする。 いいなぁこの空気は。夏の生ぬるい空気の中に、
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