昨夜、家人がテレビのチャンネルを換えながら眺めているのを眺めていたら、夏目漱石の話をやっていた。日本人が好きな云々だ。 で、夏目漱石が新しい言葉を考え出したのだ、と。「新陳代謝」がそうだ、という。うーむ、ありうべしさ*1が低い。 辞典に載っている用例で漱石のがいちばん古いのだろうか、と思って『日本国語大辞典』を引いてみると、1876年の『改正増補物理大成』に見えることが分かる。この年、夏目金之助は数えで十歳。 他にも、この言葉も、この言葉も、と言っていたが、あまりにもいい加減な感じだった。 「この人が作った」というのには、いい加減なものも多いのだが(*)、ちょっとこれはあまりにも調べていなさすぎる、という感じ。 「草枕」の一節を朗読していたが、「心持ち」のことを「心待ち」などと言っている(字幕も)。嗚呼。 【追記】 リンク元に、サーチエンジンで「夏目漱石・新陳代謝」としたものがあったので覗