自転車を調整する橋本さん。店内の商品はすべて買い手が決まっている=福島市宮下町の橋本輪業商会で、2011年3月16日午後2時15分、長田舞子撮影 ガソリン不足が深刻化している東日本大震災の被災地で、自転車が売れている。通勤に使う人が多いが、中には50キロ先へ行方不明の妻子を捜しにいくという人も。品薄状態が続き、古い自転車を修理に持ち込む人も増えている。 福島市万世町の自転車店では、ガソリンスタンドで在庫切れが続出した13日に100台が売り切れた。同市内に15店舗あるホームセンター「ダイユーエイト」も普段の4倍近く売れている。 同市宮下町の「橋本輪業商会」では、在庫40台が15日に売り切れた。入荷の見込みもない。パンクして使っていなかった自転車の修理に訪れる客も絶えず、経営者の橋本貞良さん(78)は「60年営業していてこんな売れ行きは初めて。『通勤に要るのでどれでもいい』と頼まれる。被災者の