2011/12/2610:50 不安感と幸福感の不思議な関係 ―― 誰が「不安な人たち」なのか 鈴木謙介 2011年というあまりに多くのことがあった年を、ひとつの言葉で表現するのは難しいかもしれない。しかし、そうした出来事のなかで、原発事故と放射能汚染の問題は相当に際立っていたのではないか。関東と関西を行き来していると、この問題への不安が地域によってだいぶ異なるという印象を受けるが、一方でネットを眺めていると、この問題は「誰が放射能汚染について正確な情報を持っているか」についてのポリティクス、駆け引きや潰しあいに収斂しているようにもみえる。わたしも含め「ネットではこの手の話題を出すと面倒だ」と思っている人も少なくないだろう。 ところで、この問題については、「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が乏しい人が、原発や放射能汚染を安全だと思い込もうとする」という説がある。ツテを頼って避難するこ