2015-05-31 僕と一線を越えた姉が失踪した。三十路の姉がいなくなった。電話も繋がらない。 スポンサードリンク 実の姉であるナキネが、三週間ほど前に失踪した 友達も多く、複数の男を手玉に取るタイプのアクティブな人間だ。 まさかここに来て、書き置きの一つもなしに消え去るとは思わなかった。 家出少女を志すような年齢ではないし、親族との関係は良好であったのにも関わらず。 ナキネが昔使っていた空き部屋に、手がかりとなるものがないかと思って、血眼になって探したがさしたる成果は上げられなかった。 見つかったのは、小汚い数十冊のノートだけである。 「もしかしたら姉ちゃんの本音が書かれた日記もあるんじゃないか?」 全てに目を通したが、そこには僕の落書きしかなかった。 ナキネがまだ実家に住んでいた頃は、良く部屋にお邪魔させてもらって遊んだ。 「ほら出て行きなさーい。テスト勉強あるんだから」