■ この数週間、かなり不愉快な気分で眺めていたのが、横綱・朝青龍に絡む騒動である。 この朝青龍騒動の浮上には、白鵬という「もう一人の横綱」の登場が関わっていよう。それにしても、相撲協会の対応の見苦しさと朝青龍叩きに走るメディアの浅ましさには、呆れるばかりである。 世界から力士を迎えることで活性化を図るということで、相撲協会は、「グローバリゼーション」の恩恵を受けてきた。もはや、日本の若者は、相撲の稽古などという「きつい」ことはしない。また、一人や二人しかいない自分の息子を相撲の世界に入れることは、大概の親にとってもリスキーなものであろう。十歳代後半から二十歳後半に至る歳月を費やし、それで三役にも辿りつけなかったら、これほど割に合わない選択はないであろう。もはや、日本の若者を相撲界に引き入れようとしても、難しい。そうした環境があればこそ、モンゴルの若者が日本の相撲を目指してくれたのは、ありが