とり・みき マンガ家 熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。 この著者の記事を見る
![作者の「最後の味方」は誰なのだろう:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)
岡本:病気が治るというのは、医者が治すんじゃないんです。自分で治すという意志がないと治りません。患者自身が、何が正しく何が必要かを見極めていく力をつけることが一番大事です。それが自立です。 医者というのは本来、活用するための存在なんです。医者の限界とか守備範囲を知って、患者がある程度対等にならないと活用できません。コンピューターと一緒です。いくら素晴らしくても使い方が分からなかったら使えないし、そもそも万能でもないでしょ。 近著の『医者が教える 本当に病気を治す医者の選び方』(アスコム)では、「ダメな医者」の見極め方をかなり赤裸々に解説しておられます。 特にドキッとしたのが「あなたはダメ医者にとって『おいしい患者』になっていないか?」というくだりでした。私の母は70代ですが、同世代の知人が10人集まるとそのうち8人は高血圧か高脂血症の薬を常に飲んでいて、薬なしで生活している高齢者はかなり少
この夏、数多くの若い店員が店の冷蔵庫に入った写真などをネット投稿して炎上、運営会社はお詫びと対応に追われました。すでに数多くの人やメディアがその分析やコメントを出していて、世の中では、許される行為ではないものの若者の思慮の浅い行動で迷惑な話、といったトーンに落ち着きかけています。 ただ、それでもなお同じような事件が後を絶たずに起きている中で、新たな危機感を覚えるようになってきました。 それは、事件を起こす若者に対してではありません。対応を求められている企業に対してです。 なぜ企業から発せられる「お詫び文」はほとんどどこも同じような内容なのか? 本当に、きちんと考えて対応しているのか? 再発は防止できるのか? 今回は、そんな問題意識をもとに、動画を参考にしながら考えてみたいと思います。 ネット動画はアイデアの宝庫。それでは今週もいってみましょう。 悪ふざけ写真の投稿は新たな組織的問題 若者が
8月半ば、漫画家・中沢啓治氏(故人)の代表作『はだしのゲン』が、昨年末から松江市立小中学校の図書館で「閉架」(オープンな書棚に並べず、自由に閲覧できない)の状態にあることが一斉に報じられた。市の教育委員会が閲覧制限を求めたのに応えた措置とのことだ。 学校附設のものながら、公共の図書館が外圧によって蔵書の扱いを変えた。こうした「事件」が起こるたびに、「図書館」というものの機能と役割について考えさせられる。 図書館はあらゆる外圧からの独立を守られるべきである。これが、記者の立場だ。今回の事件を、日本社会の右傾化を象徴する出来事として捉える向きが多い。だが、今回の圧力が、たまたま、どちらかと言えば政治的に「右」に位置する立場からのものだっただけだ。公共図書館は、政治的な立場の左右にかかわらず、常にこうした外圧にさらされて来た。 例えば、2001年、政治的にはまるで「逆」の事件が起こっている。千葉
コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンに、消費期限が近い弁当などを値下げする「見切り販売」を制限されて損害を受けたとして、加盟店オーナー4人が損害賠償を求めた裁判の判決で8月30日、東京高等裁判所はセブンイレブンに合計約1140万円の支払いを命じた。同社は判決を不服として、上告する構えだが、今回の判決はコンビニの価格戦略に波紋を投げかけている。 満面の笑みではなかったが、4人のコンビニ店主の表情と言葉には、裁判で勝ち得た判決に対する自信と自負が表れていた。 コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンに、消費期限が近い弁当などを値引きする「見切り販売」を制限されて損害を受けたとして、大阪府、兵庫県、北海道などの加盟店オーナー4人が損害賠償を求めた裁判。8月30日、東京高等裁判所はセブンイレブンに合計約1140万円の支払いを命じた。 「損害賠償として求めた金額(合計
9月1日、厚生労働省は企業による長時間残業や残業代未払いなどの問題が広がっていることを受け、全国で一斉に無料の電話相談を実施した。今回の電話相談の内容も考慮しながら離職率の高い企業を中心に「若者の使い捨てが違われる企業」をリストアップし、今月中に立ち入り調査を始める。対象となるのは約4000社となる見込みだ。 今年に入って一気に問題が表面化した「ブラック企業」。長時間残業、離職率の高さが目立つ企業がやり玉に挙げられている。こうした中、約1年前、アパレル通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイは不思議な取り組みを始めた。8時間労働が通常の世の中で、突如6時間労働に切り替えると宣言したのだ。職種によって異なるが、基本的には朝9時始業、夕方15時までの6時間。労働基準法上、6時間以上の勤務については休憩が義務付けられるが、6時間未満であれば休憩時間は不要になる。集中
シリアへの軍事介入が噂されている。 化学兵器が使用されたとされる先週末以来、当件について書かれた記事の中で、自力で入手できる範囲のものについては、ひと通り当たってみたのだが、いかんせん、よくわからない。 ただ、ここへ来て、軍事介入のトリガーとして「化学兵器の使用」というキーワードが、急速に浮上してきたことは、強く感じている。 しかしながら、「化学兵器の使用」→「英米による軍事介入」といういかにも粗雑なフローチャート以外の部分は、やはり、何度考えてもよく理解できない。 なので、「シリア情勢」については書かない。 プロの書き手として、それらしい原稿を書くことができないというのではない。 やればできると思う。 とはいえ、仮に私が「それらしい記事」を書いたのだとすると、それは、「誰かの意見の受け売り」か、でなければ「この半年ほどの間に収集した情報のダイジェスト」みたいなものになるはずで、学生の夏休
日本と中国との戦争というと、日中戦争ばかりを思い浮かべがちだが、両国は663年の白村江の戦い、豊臣秀吉による朝鮮出兵に伴う明との戦争などを含め、これまで5回も戦火を交えている。いずれも、朝鮮半島における勢力争いがその始まりだった。 韓国大使やベトナム大使を務めた元外交官である小倉和夫氏は今春、過去2000年の歴史を「日本の外交」という視点から分析し、なぜ日本が5回も中国と戦争をするに至ったのかを読み解いた『日本のアジア外交 二千年の系譜』を出版し、日本は歴史から学び、「外交を考えていくための視点を根本から問い直すべきだ」と提言する。 昨年来、尖閣諸島や竹島、従軍慰安婦問題を巡り日中、日韓の関係がぎくしゃくする中、日本の外交を考えるうえで必要な視点について聞いた。 中国との戦争と言えば、近代史以降の日清戦争と日中戦争がすぐ思い浮かびますが、白村江の戦い、元寇、秀吉による朝鮮出兵と、それに伴っ
中国が韓国に対し「我が国と同盟を結べ」と言い出した。米中双方と同盟を結ぶなんてことはできるのか。韓国の二股外交は危うさを増すばかりだ。 母国を属国と見なした新羅の文人 韓国人に冷や水を浴びせる記事が載った。朝鮮日報の7月20日付「“21世紀の崔致遠”を求める中国」だ。筆者は中国文化に明るいイ・ソンミン文化部先任記者である。 崔致遠は新羅の人で、若くして唐に赴き科挙に合格。官僚を務めながらその文才を唐の人々に愛されたが結局、新羅に戻った。韓国では中国文明を最初に持ち帰った知識人として有名だ。 6月末の中韓首脳会談で、習近平主席が崔致遠の漢詩を朴槿恵大統領の前で謡って見せた。韓国政府は中韓関係の緊密化や、会談が成功した象徴としてこのエピソードを大々的に広報、メディアも大喜びして取り上げた。 イ・ソンミン先任記者は明かした。韓国人の常識とは異なって、崔致遠は唐の皇帝の使いとして戻ったのであり、新
この連載は「私の身の回りの中国人」から題材を拾わせてもらうことになっている。マクロなデータよりも、彼らの口調や目の輝き、といった個人的なコミュニケーションに重きを置いてみよう、という意図からだ。 今回は側聞、伝聞も混じり、いつもほどの生々しさがないかもしれない。題材がなかなか“きわどい”ことを鑑みて、お許しいただきたい。“愛好家”の諸氏もおられるかと思うが、こういう見方もあるのか、と、おおらかに読んで頂ければ幸いだ。 それは、私のこんな質問から始まった。 「日本について知りたいとか、すごく聞いてみたいって思うことがあるかな? ちょっと友だちに聞いてみてくれる?」 上海の大学院で国際関係を学ぶ後輩(男子)に聞いてみた。日本のジャーナリストからのかしこまった取材ではなく、同世代の日本人留学生が気軽に聞いてみたらどんな答えが返ってくるのだろう? と素朴に思い、あるとき、旧知の後輩に依頼してみたの
背景には、農園体験に関心を持つ層の増加がある。都市部では、子育て世代に入ったポスト団塊ジュニアや、60代以上のアクティブシニアがとりわけ強い関心を示している。子どもに農園体験をさせたり、余暇の時間を土いじりに使おうとしたりする人が、相対的に増えているのだ。 一方、こうした消費者側のニーズとは別にもう1つ、農園増加を促す動きがある。遊休農地の新しい活用方法として、地主側が注目し始めているという変化である。従来塩漬けにされ、遊休農地・耕作放棄地として放置されていた農地が、市民農園に活用されることで、消費者・地主双方に価値を生む土地に生まれ変わる。 このギャップに着目して事業を拡大しているのが、菜園の運営サービスを展開するアグリメディア。昨年、住友不動産と連携し、農園利用権付きマンションを開発するなど、耕作放棄地・遊休農地の新しい活用方法で話題を呼んだ。 遊休農地は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川
今回は、「男性問題」を取り上げようと思う。 男性問題といっても、何も私の男関係のいざこざではありませぬ。男性問題は、「男性差別」と呼ばれることもある男性への“イメージ”から生じる問題である。 日本経済新聞8月8日付け朝刊の1面に、「うわぁ! ついにそういう時代になったか!」と、思わず叫んでしまった記事が掲載された。次は記事の書き出しである。 「皆様、離陸いたします」。全日本空輸の客室乗務員、二川恒平(27)が着席すると近くの男性乗客が舌打ちした。「女性の客室乗務員と話すのを楽しみにしてたのに」。つぶやきが聞こえたように思えた。 そう。この記事では、“男性客室乗務員(CA)”が、写真入りで取り上げられていたのである。 5000人以上の女性CAの中にたった7人の男性CA 今から20年以上前の私がまだ、全日空(ANA)にいる頃。男性のCAを入れるかどうかについて議論が持ち上がったことがあった。
「君ねぇ、知ってるか。最近は包丁やまな板が家にないっていう人だって多いんだぞ」 大手スーパー、マルエツの上田真社長と先日話していたら、そんなことを教えてくれた。最近、東京都内などの売り場を訪れると、やたらと目立つようになってきた「カット野菜」のコーナーについて、話が及んだ時のことだ。 カット野菜とは、調理の際に細かく切らなくて済むように、あらかじめ適当な大きさに刻んでパックで売っている生鮮野菜のこと。忙しい共働き世帯や、調理が面倒な単身者の人気を集めているとされる。 加工の手間がかかっている分、重量当たりの価格で比較すれば、そのままの生鮮野菜を購入するよりも断然割高だが、「丸ごと買っても使いきれない」ときがあることを考えると、表面的な価格差よりは経済的な負担感はないのかもしれない。 そんなカット野菜が少なくとも都市部で売れているのは、売り場を見れば一目瞭然だ。 農畜産業振興機構によると、カ
野村総合研究所は1997年から、日本の消費者1万人を対象にした大規模な調査(生活者1万人アンケート調査)を3年ごとに実施しています。2012年の調査結果を最近、まとめられましたが(『なぜ、日本人はモノを買わないのか? 1万人の時系列データでわかる日本の消費者』(東洋経済新報社))、非常に興味深く拝見しました。 97年から2012年までの様々な「日本人の平均データ」というものを見ていると、消費における「自分史」みたいなものを思い出したりもしました。例えばインターネット利用率ですが、97年は2.6%だったのが2000年には21.4%に跳ね上がっています。そういえば97年頃、我が家はまだパソコン通信だったけど、2000年には確かにインターネットになってたな、とか…。 松下:私は96年入社なんですけれども、97年の第1回調査以来ずっと関わってきていますので、やはりある意味、自分史みたいなところがあ
日本の医療保険制度は国際的に評価が高かった。平均寿命は世界1位である一方、国民医療費の対GDP(国内総生産)比は経済協力開発機構(OECD)諸国の平均以下、皆保険制度に基づく公平性と医療へのアクセスの容易さも、世界的にとても優れたものであった。しかし高齢化が進展し、国の債務が世界最悪水準に積み上がる中、医療費にも抑制圧力が強く働きはじめた。窓口での自己負担金は年々引き上げられ、保険料の上昇に伴い無保険者が増え始め、医療の現場は様々な歪みや困難に直面し疲弊している。 この状況を改善すべく、内閣に昨年末設置された社会保障制度改革国民会議では、年金・介護・少子化に加え医療が重点的に取り上げられ、この8月に最終報告書が取りまとめられた。限られた時間の中、政治家と利害関係者を入れずに、短期的即効性のある改善案の数々を踏み込んで明記したことは十分に評価したい。しかし他方で、「長期的なビジョン」の重要性
少し前の話になりますが、7月18日付けの日本経済新聞をはじめとする各種のメディアが「ヤマダ電機、個人用3Dプリンター販売」といったニュースを報道しました。目にした読者も多いと思います。 これは、米国3D Systemsの代理店であり、当社のパートナーでもあるイグアス(JBCCホールディングスの100%子会社)がヤマダ電機と一緒に3Dプリンターを一般消費者向けにも販売をしていくというもの。法人向けにも販路を拡大しているという内容でした。 当社もイグアスを支援するという立場から、販売の準備段階から現在に至るまでお手伝いしています。今回はこの話題を中心に、量販店でも販売がスタートした3Dプリンターの状況について報告したいと思います。 ちなみにヤマダ電機では、3Dプリンターの販売を決定したのが7月で、8月初めには販売をスタートするという迅速な対応でした。このスピード経営の凄さを間近で体感し、とても
だから、主役は小湊鐵道ではなくて、「地域」だと思っている。それで、山間部の各駅には、それぞれ地元のオヤジが勝手に集まった(ボランティア)団体が10以上あるわけ。それをとりまとめている連合会もあって、松本靖彦さんという人が連合会長をやっている。 彼らは3カ月に1回ぐらいのペースで集まるんだけど、途中から酒がまわって、最後は言い争いになって終わるんだって。なんで言い争いになると思う? 「お前のところは、ちゃんとできていない」とか怒るんですかね。 石川:いや、逆でね、「お前の所もすごいけど、俺の所の方がもっとすごいぞ」って自慢し合っている。「すげえことやってるぞ」って。 小学生みたいですね。 石川:それで、連合会の「活動の趣旨」を書いてある紙をもらったんですよ。そこに、「小湊鐵道には要求しない」とうたっている。「我々は勝手連なんだ」と。それを見て、「いやあ、ありがたいな」と思いました。 松本さん
2013年7月20日の午後6時24分、北京国際空港の第3ターミナル2階にある国際線到着ロビーの出口Bから10メートルほどの場所で爆発が起こった。車いすに乗った30代の男が手製と見られる爆発物を起爆させたもので、大きな爆発音が響き渡ると、辺り一面は黄色の煙に包まれた。爆発で負傷したのはその男だけで、ほかにけが人いなかった。中国の繁栄を象徴するアジア最大規模の空港で発生した爆発事件は小規模なものであったが、世界中のメディアによって大きく報じられた。 「俺は言いたいことがある」 この事件の現場に居合わせた目撃者たちの証言を総合すると、事件の経緯は以下の通りである。 【1】いつの間にか国際線の到着ロビーに現れた車いすの男は、出口Bから10メートルほどの乗客通行専用区域に陣取ると、出口Bから次々と出てくる国際線の乗客たちに自分の主張を書いた宣伝ビラを配ろうとして、空港の警備員に制止された。すると、男
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く