自民党の国家戦略本部(本部長・谷垣禎一総裁)は二十日、中長期的な政策に関する報告書を発表した。次期衆院選での争点を意識し、既存原発の維持や、公共事業の拡大を掲げるなど、菅直人首相や民主党との違いを鮮明にしている。 (三浦耕喜) 民主党との違いが際立つのはエネルギー政策だ。安全強化策を条件に、既存の原発は当面維持すると明記した。菅直人首相の福島第一原発事故を踏まえた「脱・原発依存」宣言に対抗。首相が脱原発の具体的な時期や道筋を示していないこともあり、再生可能エネルギーでは、すぐには原発分を補えないという“現実”を強調した。 公共事業でも、「コンクリートから人へ」と大なたを振るった民主党に対し、最優先課題として強化を訴えている。背景にあるのが、東日本大震災の教訓だ。民主党政権の公共事業削減が、被害拡大を招いたと言わんばかりに、減災対策に力点を置いた。「首都圏や太平洋ベルト地帯に二十兆円の防災対