ベバシズマブは培養CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)を用いて産生される、遺伝子組換え型ヒト化モノクローナル抗体で、IgG1に属する。フレームワーク領域 (framework region: FR) はヒト由来で、VEGFに結合する相補性決定領域 (CDR) はマウス由来である。血中半減期は17〜21日、分子量は約149 kDa(キロダルトン)である。 血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) が細胞表面にあるVEGF受容体に結合すると、細胞増殖、血管新生、血管透過性亢進、腫瘍の転移を引き起こす。ベバシズマブはVEGFのうちVEGF-Aに結合し、VEGF-Aが受容体(VEGFR-1、VEGFR-2、ニューロピリン1)に結合するのを阻害する。この結果、腫瘍血管新生の阻害、腫瘍増殖抑制、転移の抑制が起こると考えられている。 VEGFR-2(別名KDR)は腫瘍血管などの形成に直接関与し、VEG