推奨文:白人では、ほくろ(後天性色素細胞母斑)の個数が多い者は表在拡大型メラノーマを発生する危険性が高いといえる。日本人では高いエビデンスレベルの研究はないが、色白(紫外線暴露で皮膚が赤くはなるが、色素沈着をおこさない)で、ほくろの数が多い者は注意すべきであろう。 解説:後天性色素細胞母斑(acquired melanocytic nevus; AMN)の個数とメラノーマ(MM)発生のリスクについては、欧米白人において多数の症例対照研究が実施され、いずれの研究においてもAMNの個数が多いとMM発生の危険性が高まることが示されている。欧米におけるAMNとMMの関係の評価において注意すべきことは、白人のMMは大多数が表在拡大型黒色腫(SSM)であること、AMNを通常型母斑と異型母斑(atypical nevus, dysplastic nevus; AN)に分けて考察している研究が多いことであ