推奨文:巨大型の先天性色素細胞母斑患者がメラノーマを発生する危険性は有意に高いので、早期の予防的切除を選択肢の一つとして考慮すべきである。しかし、不完全切除となることが多く、取り残し部位や深部組織からのメラノーマ発生は防止できず、ときに合併する神経皮膚黒色症による予後不良例も少なくない。 解説:先天性色素細胞母斑を病変の最大径で分け、径20cm以上のものを大型とするKopfらの分類法が広く用いられている。しかし、「巨大型」の明確な定義は存在せず、Zaalらの文献検索では巨大型先天性母斑のサイズについて少なくとも7つの異なる定義が使われていることが判明した(1)。実際には径20cm以上を大型の先天性色素細胞母斑(LCMN)として検討した研究が多い。 LCMNの患者がメラノーマ(MM)を生じる危険性の高いことは多くの研究で明らかにされている。Zaalらが1966-2002年の35文献を収集、検