70年代を代表するスーパースター・山口百恵は、みごとな幕引きとともに表舞台から姿を消した。数々の名曲や映画の功績も忘れがたいが、百恵を国民的なヒロインに導いたのは「赤いシリーズ」にほかならない。ひたむきな演技と先の読めない展開は、百恵と一体化した「赤い血の物語」であった──。 出生の秘密、悲運な事故、禁じられた愛、嫉妬、復讐、美しい嘘‥‥そして、ついに明かされる真実──。 2月25日に刊行を開始した「山口百恵『赤いシリーズ』DVDマガジン」(講談社刊)は、こんな前口上に彩られている。ドラマという分野において、今なお目が離せない要素がすべて収められているのだ。 実際、ペ・ヨンジュンらが多くのファンをつかんだ「韓流ドラマ」も、そのルーツは「赤いシリーズ」であることが公然と語られている。脚本家のジェームス三木は、シリーズ第1弾の「赤い迷路」(74年)から参加しているが、同じTBSで金曜9時の交互