東京工業大学のグループが、様々なナノ物質のエネルギー状態を正確に予測する「対称適合軌道モデル」を開発した。また、この理論モデルにより、複数の原子からなる高次の物質の間にも元素のような周期律が存在することを発見し、元素周期表と類似の「ナノ物質の周期表」として表すことに成功した。 単一の原子の性質が扱われている元素周期表に対し、複数の原子からなる高次の物質でもこのような周期律が発見されれば、物質科学の世界において有用な指標となることは間違いない。しかし、高次の物質は大きさ・組成・形などの様々な要素を持っており、単純な分類は難しい。 本研究では、分子などの微小な物質(ナノ物質)が持つ幾何学的対称性に着目し、コンピューターシミュレーションと群論を応用することで、ナノ物質のエネルギー状態を予測できる「対称適合軌道モデル」を構築した。このモデルに基づいてナノ物質を評価することで、形状・性質・安定性など