技術よりも先に考えるべきことがある トヨタの生産現場では自動車、モビリティをつくっている。 「クルマをつくっているのだから、作業者はクルマ自体を進化させるための技術のことを考えているだろうし、他の会社が真似のできない先進技術を追求しているに違いない。彼らは技術を見つめている。それがメーカーの開発者だ」 わたしはそう思い込んでいた。そういうものだと自然と考えていた。 しかし、そうではなかった。彼らはまず人間を考えて、それから技術を開発していた。彼らは運転する人、乗っている人を見つめて、考えることから始めていた。「人間を考える」ことから開発をスタートしていた。とはいえ人間を考えるとは哲学的な思索をするわけではない。 人が困っていることを解決するためのモビリティを開発するのが彼らの仕事だ。それが「人間を考える」ことなのである。 始まりは、困りごとの解決だった 初期であれば「走る」「曲がる」「止ま

