実は、約2年前に天皇陛下と皇居で食事をするという奇跡に恵まれたことが有る。もちろん、筆者自身はそんなVIPでは無いので、偶然と幸運が重なったためだ。 2015年のお正月に、神経科学会の重鎮であるN先生が、天皇陛下の御前で「ご進講」という講義をしたのがそもそもの始まり。ご進講の1カ月後に、陛下が講師を皇居に招き、お礼の意味で食事会開く、と言うのが慣例となっているそうで、その時に、2名の随行者を連れていくことが許される。N先生は神経科学が専門のK大学医学部教授の先生を1人と、もう1人になんと筆者を指名してくれたのである。 指名してくれた理由は、筆者の専門が、「動物の縞模様ができる原理の研究」だからである。陛下が魚類の分類学者であることは、ご存知だろうか。宮内庁のHPに行くと、陛下の論文のリストがある。全部で28編もあるが、そのほとんどがハゼ類の分類に関する論文である。魚種の分類には、様々な形態