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ブックマーク / note.com/kankanbou_e (6)

  • 【素面のダブリン市民】第6回 クリスプスことポテトチップス(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    私は学生時代に3年半ロンドンに住んでいましたが、その間に身につけた一番悪い習慣は、事がわりにポテトチップスをべるという習慣です。日に住んでいると不健康な習慣に見えるかもしれませんが、イギリス人もアイルランド人もランチなどによくポテトチップスをべます。私が留学していた頃の統計では、イギリス人は1年にひとりあたり150袋くらいポテトチップス及びそれに類するスナック類をべていたそうです。そんなところで暮らしていると、まあ影響を受けてポテトチップスはごはんだと思うようになりますね。 ロンドンに住んでいた学生時代はお金がない上、学がまずかったので、私はポテトチップスをまとめ買いして昼ごはんのかわりにべていました。学会などでもビュッフェのランチの一部としてお皿にポテトチップスが盛られて出てきたりするのですが、正直なところ、イギリスのそういうイベントで出る事ではサンドイッチのパンが異

    【素面のダブリン市民】第6回 クリスプスことポテトチップス(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
  • 【特別掲載】町屋良平「小説の死後──(にも書かれる散文のために)──」序文|書肆侃侃房 web侃づめ

    町屋良平さんによる「小説の死後――(にも書かれる散文のために)──」を特別掲載します。プロジェクトはこの序文公開を機に開始され、あらゆるかたちで発表された原稿を最終的にまとめ、来年書籍として書肆侃侃房より出版します。どうぞご期待ください。http://www.kankanbou.com/news/archives/511 序 いつか誰かがやるものだと思っている、自分よりも確実に向いている人材がいる、適した才覚が他にある仕事。そうした仕事の心あたりは私以外の、とくに四十歳前後を迎える人間には共通してあるものではなかろうか。 そのような仕事はしかし自分がやるしかない。代わりにやってくれる適任は結局現れない。そのことに気づく瞬間がかならず訪れる。私(町屋)にとって、それが今である。結局、人はそうした仕事から目を背けるか向き合うか、どちらかしか選べずに人生を消費する。自分ではない人がやるべき仕事

    【特別掲載】町屋良平「小説の死後──(にも書かれる散文のために)──」序文|書肆侃侃房 web侃づめ
    triceratoppo
    triceratoppo 2024/09/27
    コンテンツと商業性のジレンマ(というか宿命)はいつの時代も、どのコンテンツにもある。そもそも商業性が著しく低いものはこの世に存在していないのも同じで、観測できない。
  • 【素面のダブリン市民】第5回 実在するアイルランド語ヒップホップトリオを題材にした新作映画『ニーキャップ』(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    アイルランドとことばと映画 アイルランドに住む人の大半は第一言語として英語を話しています。しかしながらもともと話されていたのはアイルランド語でした。アイルランド語は英語とは系統の違う言語で、アイルランドが英国の支配下にあった時代に、英語に押されて話者が激減したという経緯があります。現在、アイルランド共和国はアイルランド語と英語を公用語としており、アイルランド語を必ず学校で子どもに教えるなどさまざまな努力をしていますが、英語と全く似ていなくて英語話者には習得が困難であるため、なかなか話者数は回復していません。2022年の国勢調査では約515万人の住民のうち7万2000人くらいが毎日アイルランド語を話す そうですが、これは人口の1.5%に満たない数字です。 英領である北アイルランドでは話者はさらに少数です。2021年の国勢調査では、北アイルランドでアイルランド語を第一言語とする話者は6000人

    【素面のダブリン市民】第5回 実在するアイルランド語ヒップホップトリオを題材にした新作映画『ニーキャップ』(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
  • 【素面のダブリン市民】第3回 ブルームの日(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    先日、6月16日は「ブルームの日」(Bloomsday、ブルームズデイ)でした。ブルームの日というのはジェイムズ・ジョイスが1922年に刊行した小説『ユリシーズ』の主人公であるレオポルド・ブルームからとっています。ジェイムズ・ジョイスは1882年にダブリンで生まれたアイルランドの作家で、詩・戯曲・小説など幅広い分野の著作を残しましたが、小説が最も有名で、20世紀文学において高く評価されている小説家のひとりです。代表作である『ユリシーズ』は1904年6月16日のダブリンを描いた作品です。1904年6月16日というのは、実は著者のジョイスが後にとなるノラ・バーナクルと初めて格的なデートをした日でもあり、その日を舞台に小説が展開する…というわけです。 毎年、6月16日は『ユリシーズ』のみならずジョイスの作品や業績についての記念日として世界中で祝われています。2024年6月16日は120周年と

    【素面のダブリン市民】第3回 ブルームの日(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
  • 【素面のダブリン市民】第2回 ダブリンの住宅事情(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    アイルランドでは6月7日にEU議会の選挙があるので、今ダブリンは選挙のポスターがそこらじゅうに貼られています。今回のEU選挙では、これまでと違う点がひとつあります。それはホームレスの人が投票できるようになったということです。 日も含めてたいていの国では、住所が無い人は有権者として登録をすることができず、さまざまな社会保障サービスからも疎外されてしまいます。ところが2022年にアイルランドの法律が改正され、住所不定の人でもホームレスチャリティ団体を住所として投票のための登録ができるようになりました。6月7日のEU選挙は、この法改正以降に行われる大きな議会選挙としては初めてのものになります。住所がなくても投票ができるというのは困窮している人に力を与える施策なので、非常に意義のあるものだと思います。 最悪の住宅事情 このような法改正が行われた理由のひとつとして、アイルランドの住宅事情は最悪レベ

    【素面のダブリン市民】第2回 ダブリンの住宅事情(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
  • 【素面のダブリン市民】第1回 プロローグ(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    皆さんこんにちは。今日から『素面のダブリン市民』の連載を始めることになりました、北村紗衣です。ふだんはシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史を研究している他、映画批評なども書いています。書肆侃侃房からは『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を2019年に刊行し、もとになったウェブサイトwezzyの連載の一部もWeb侃づめのアーカイブにありますので、興味がある方は見て頂けますと幸いです。 『素面のダブリン市民』では、私が1年間、サバティカルで滞在することになったアイルランドのダブリンでの出来事を毎月ゆるくお話する予定です。1年間お付き合い頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。 サバティカルって何? さて、まず上の文章で出てきた「サバティカル」って何?という方も多いと思います。大学で働いたことのない方には全く馴染みのない言葉だと思います。まずはこちらから説明します。 サバティ

    【素面のダブリン市民】第1回 プロローグ(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
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