拘置所に通いつめて聞いた「凶悪犯」の本音 「とっととくたばりたいんですよ」 金網入りのガラス板の向こう、男は顔を苦しげにゆがめ、ひび割れた声を絞った。 「許されるならこの場で切腹でもして、自分の手で責任を取って、潔く死んでしまいたい。死刑が決まった人間を無駄に長生きさせる必要はないと思います。ぼくは間違っていますか?」 男の名前は関光彦(せき てるひこ)。一九九二年三月六日、一九歳時に千葉県市川市のマンションに押し入り、四歳の幼女と八三歳の老婆を含む一家四人を惨殺。地裁、高裁、共に死刑判決が下った後、二〇〇一年一二月三日、最高裁は上告を棄却し、死刑が確定している。 死刑執行は一六年後の二〇一七年一二月一九日。関光彦は四四歳になっていた。一九歳で逮捕されて以来、東京拘置所に於ける獄中生活は実に二五年に及ぶ。 犯行当時未成年の死刑執行は、一九九七年の永山則夫(死刑執行時四八歳 一九六八年、一九