新「軍事ドクトリン」の大きな特徴として、イスラム過激勢力によるテロリズムという新しいタイプの「非伝統的な脅威」より、グルジア紛争のような国家間紛争という「伝統的な脅威」への対処をより重視している点が指摘される。 2005年にウラジーミル・プーチン大統領(当時)が「軍事ドクトリン」の改定を指示した際に、当時、安全保障上、最も重視されたイスラム過激勢力によるテロリズムへの対処を新文書にどのように反映させるかが課題とされた。 しかしながら、2008年8月に隣国グルジアと軍事衝突が発生したこと、2009年4月に約10年に及んだ第2次チェチェン紛争の終結が宣言されたことなどから、旧文書と同様に新「軍事ドクトリン」においても、引き続き「伝統的な脅威」を重視する姿勢が維持された。 そして、ロシアが「伝統的な脅威」を重視するようになった結果、旧ソ連圏をロシアの「伝統的な勢力圏」と見なす発想が濃厚となった。
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