戦闘機「零戦」を造っていた旧中島飛行機武蔵製作所(武蔵野市)の建物で唯一現存する旧変電室が解体される。29日午後に外装の取り壊しが始まる予定で、都に保存を訴えてきた市民団体は「戦後70年の夏に壊すというのは理解しがたい。残念だ」と話す。 武蔵製作所は日本有数の軍需工場だった。太平洋戦争中に米軍の標的にされ、1944年から9回にわたり大規模な空襲を受け、製作所だけで200人を超える死者が出た。旧変電室はコンクリート造り2階建てで、延べ床面積約160平方メートル。製作所のほぼ中央部にありながら被害を免れた。戦後、跡地に都営武蔵野アパートが建設されると、改修して管理事務所として使われた。 都は隣接する都立武蔵野中央公園(10・1ヘクタール)に、旧変電室を含む約1・1ヘクタールを加えて拡張する計画で、今年度中に更地にする。先日、地元住民らに工期などを説明した。 解体に反対する「武蔵野の空襲… この