昔、僕には片思いの女性が居た。 当時、彼女に恋人が居て、僕の気持ちを伝える事無くこの恋は終わるものだと思っていたのだが、彼女が彼に振られた事をきっかけに僕は彼女にアプローチをした。 そして僕達は付き合い始めた。 彼女は非常に繊細ですぐに泣いてしまうそんな子で、彼女から電話はいつも決まって深夜だった。僕は眠たい目を擦りながら彼女の電話に出る。彼女が深夜に電話を掛けてくるときはいつも泣いている時だからだ。だから僕は彼女からの電話に出なかった事は無い。いつだって彼女の電話に出て彼女の愚痴や悩みを聞いてあげていた。僕と話す事が彼女にとって少しでも安らぎになれば良いなと、そう思っていた。 僕は内心気づいてはいた。彼女の心の中にまだ彼が居るという事を。でも今はそれでいい。いきなり忘れることなんて出来はしない。いつかの日か、本当の意味で彼女が僕を愛してくれる時がくれば僕はそれでいい。 彼女といろいろな場