福島第一原発の作業員らが全身に大量被曝(ひばく)をして「造血幹細胞移植」が必要になった場合に備え、作業員自身の造血幹細胞をあらかじめ採取して冷凍保存しておくよう、専門医が提言している。 移植の際、免疫拒絶反応を防ぎ治療の可能性を高めるためだ。 虎の門病院の谷口修一・血液内科部長によると、原発事故を巡り事前採取が行われた事例は世界的にもないが、「命がけで作業にあたる人たちを守るために行うべきだ」と訴える。同部長は今回の事故を受け、造血幹細胞の採取にかかる期間が従来(4〜5日)の半分程度で済む未承認薬の輸入を計画している。 東京電力は、今回の事故で、作業員の幹細胞の事前採取は「行っていない」としている。