会社の帰りしな、酔っ払った自分の目の前にけんじゃのいしが現れた。 そいつはシケモクの転がるアスファルトの上で光り輝いていた。 俺は賢者の石を拾ってコンビニに立ち寄り、ミネラルウォーターにひたしてみることにした。 爽やかな空気があたりを包み、愛飲のエビアンは炭酸水風の口当たり良い水になった。 それを飲んだ俺の酔は冷め、みるみるうちに仕事の疲れが回復することを知った。 友人はいかづちのつえを手にしてエネルギーを電力会社に売りながら生活しているらしい。 俺は幸運に浴したことよりも友人の杖のほうが気になって仕方がなかった。 更に他の友人はいのりのゆびわを手にしたのだという。取引先にいくらでもメダパニがかけられると喜んでいた。 それに引き換えおれの石っころはなんだと思った。 たかだか酔い覚まし程度にしかならない。よしんば疲れを取り除くとしても、他の補助系のほうが役に立つのではないか。 こんな石を持っ