■[another view][TVゲーム]時代で読み解くテレビゲーム学・第ニ回:あるゲームが如実に描いた「近代」と「前近代」の相克 ※以下は5年前、2001年に『WebSPA!』(扶桑社)で発表した文章の採録です。 ■第ニ回:あるゲームが如実に描いた「近代」と「前近代」の相克 文/松谷創一郎、初出『WebSPA!』2001年10月31日号 ──今回取り上げるのは、99年にスパイクから出た『夕闇通り探検隊』だそうですが、あまり目立たないタイトルを選びましたね。 地味ですが、これは秀作ですよ。素晴らしい点はいくつもあるのですが、とにかくストーリー、舞台設定がよくできていた。「現代日本」そのものを描いているんです。その点で、この連載の主旨にぴったりですね。さらに、TVゲームだからこそ可能な表現も実現していた。それも素晴らしい。 ──べた褒めですね。では、まずざっと説明してもらえますか? まず