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2006年5月11日のブックマーク (1件)

  • 空中キャンプ- 「イェルサレムのアイヒマン」を読む/第二回 -

    アイヒマンは、ナチスドイツで「ユダヤ人問題」のみを専門的におこなう、唯一の立場にあった男である。このテキストは、イスラエルでおこなわれた、彼の裁判についての記録という形式をとっている。600万のユダヤ人殺戮におおきく関与した男。1961年におこなわれたこの裁判は、世界中に注目され、ナチスのユダヤ人迫害の事実がひろく知られるきっかけにもなった。 ヨーロッパ中のユダヤ人を追いまわし、600万人を殺すという、「人間の理解を超える苦難」(p164)の中心にいた者が、いったいどういう人間なのか。おそらく、常識では考えられない精神の持ち主であろうと、誰もが考えるはずである。きっと、どんなおそろしいできごとにも、眉ひとつ動かさないような、尋常ならざる冷徹さを持っているのではないか。ところが、法廷に立ったアイヒマンの言動は、その予想をおおきく裏切るものだった。 ただのおっさんだったのである。 気がちいさく

    tskk
    tskk 2006/05/11