■3月19日 対局中の棋士に出前を届けるそば店、東京・千駄ケ谷の日本将棋連盟近くの「みろく庵」が今月末で惜しまれながら閉店するという。一昨年、藤井聡太七段(当時四段)がデビュー29連勝したときに頼んだ「豚キムチうどん」で有名になり、将棋ファンや観光客まで訪れる東京名所にもなった。 藤井の出現で棋士の勝負メシまで話題になる昨今の将棋ブームも、元をたどれば1989年に19歳2カ月で竜王位を獲得した羽生善治九段に行き着く。それまで棋士といえば別世界の存在のように思われていたが、羽生はテレビ番組でアポなし訪問したタレントの松村邦洋と、嫌な顔ひとつせずに19枚落ち(王将のみ)で差して驚かせた。 48歳になった羽生。昨年竜王など3タイトルを失い無冠になったが、17日放送のNHK杯決勝で郷田真隆九段を破り7年ぶり11回目の優勝を飾った。タイトル戦を除く一般棋戦の優勝回数が45となり、「史上最強」といわれ