この度、十七世名人を襲位された谷川浩司先生の詰将棋を初めて拝見したのは、今から30年以上前の「詰将棋パラダイス」誌上でのことでした。私は当時、まだ奨励会にも入っていない頃だったので解けるはずもなく、眺めているというのが正しかったと思います。少なくとも奨励会の有段者になるまでは、全く歯が立たなかった記憶があります。 200年以上途絶えてきた永世名人の作品集 私が8年前(2014年)に関西所属へ移籍してからは、谷川先生と詰将棋の話をさせていただく機会が増えました。詰将棋作家同士のマニアックな会話は、関西では谷川先生や浦野真彦先生(八段)、斎藤慎太郎八段や船江恒平六段など、ごく少数の方としかできませんが、短い時間でも貴重で楽しい時間です。最近だと、藤井聡太五冠とも、詰将棋の話をしたことがあります。 北浜健介(きたはま・けんすけ)八段。1975年、神奈川県生まれ。87年、第12回小学生名人戦で準優